一般に固形石鹸の方が、純石鹸成分が多く洗浄力が高いと言われていますが、液体石鹸も泡石鹸も十分泡立つ量を使用すれば洗浄力は変わりないと考えます。いずれの石けんを使用する場合でも、適切な手技で15秒以上時間をかけて、洗い残しがないようにすることが重要です。
ただし、医療施設であれば固形石鹸は勧められません。固形石けん自体や、石けん置きの容器に水分を含んだ液体がたまり、微生物の温床になり交差感染のリスクが高まるからです。これまでに、細菌で汚染された液体石けんからの医療関連感染のアウトブレイクの報告があります。医療施設で使用する手洗い石けんについては、使い捨てボトルの液体石けんまたは泡石鹸を選択することを勧めます。
2002年発行の医療現場における手指衛生のためのCDCガイドラインでは「石鹸と水で手を洗うときには、まず、手を水に濡らし、メーカーの支持する量の製品を手にとり、両手指の全表面に製品が行き渡るようにして最低15秒間両手を激しくこすり合わせる。手を水ですすぎ、ディスポーザブルタオルで拭く。蛇口を閉めるときには、タオルで蛇口をおさえて閉める」とあります。2009年発行のWHO医療における手指衛生ガイドラインでも同様の記載がされています。
手洗いに必要な石鹸の量は、手の爪先から指の間、手首までの全表面に行き渡る量が必要となります。手の大きさや、薬剤により1プッシュで排出される量も異なりますので、一概に何プッシュとはいえません。手に十分にいきわたる量の石けんを手のひらにうけてから手洗いを行ってください。
手荒れにより皮膚上の菌叢も変化し、ブドウ球菌やグラム陰性桿菌の定着がより頻繁に起こるようになります。 手荒れをしないように日頃からスキンケアを行いましょう。 手荒れがひどい場合は、皮膚科を受診されることをお勧めします。
ピンホールや使用後の手袋を外すときに手が汚染されることも考えられますので、手袋をはずした後も手指衛生が必要となります。
手袋の上からアルコール消毒を使用しても効果がありません。
また、手袋を変質・劣化させ、ピンホールを作ってしまうなどによって、個人防護具としての機能が低下してしまいます。
以上のことから、手袋を二重にしても使用後は二枚とも外して手指衛生を行う必要があります。アルコールが使用できない場合には、石鹸と流水による手洗いを行うようにして下さい。
標準予防策は感染の有無に関わらず、すべての患者(人)を対象として行われる予防策です。
接触予防策のような感染経路別予防策は、感染経路別予防策が必要な病原体が定着または感染が疑われる時点から行う必要があります。そして、感染経路別予防策の解除は、病原菌が陰性であることを確認してから行う必要があります。
ESBL産生菌のような薬剤耐性菌の場合は、検出された部位からの菌の陰性化を1週間以上の間隔をあけ2回以上確認した後に接触予防策を中止する施設が多いようです。
費用がかかるかも知れませんが、携帯型擦式アルコール製剤をお奨めします。
何らかの感染のアウトブレイクが起こった際には、収束までに多額の費用がかかると考えられます。 感染予防のために導入を検討していただきたいと考えます。
導入が困難な場合、こまめに石鹸と流水による手洗いを行うようにして下さい。
採血時は、医療従事者の血液曝露と医療従事者から患者への微生物の伝播防止のために手袋着用が必要です。
採血時には眼に見えない程度の血液飛散や穿刺部位の出血などにより手袋に血液が付着している可能性があります。手袋を交換しないままで次の患者の採血を行うと前の患者の血液で汚染させてしまう可能性があるので、患者毎に交換する必要があります。
手袋の上から擦式アルコール剤で消毒を行っても微生物は手袋表面から除去されません。
標準予防策が基本ですので、正常な皮膚の場合は手袋の着用は必要ないと考えられますが、対象患者の皮膚などの状態によっては手袋を着用する必要があります。また、皮脂の汚れや爪などによる損傷なども考えられるため、手袋を着用したほうが望ましいと考えます。
リハビリ室は患者と密に接することが多く、これらの器具を介して感染が伝播する可能性があります。患者の肌に直接触れたものは、1患者ごとにカバーを交換する必要があります。また、リハビリのような短時間の接触での枕カバーの交換が難しい場合には拭ける素材を選択するか、ディスポーザブルのカバーを患者ごとに交換するなど、各施設で検討してみて下さい。
結核は空気感染の経路だけなので、結核患者の場合はN95マスクに結核菌が付着することがないので、毎回交換しなくても良いと思います。
肉眼的な汚れや破損、水で濡れていなければ、汚染しないように個人ごとにビニール袋にいれて保管します。 接触感染も考えられる麻疹や水痘の患者に使用した場合は再使用しないようにしましょう。
病室を退室後、マスクの継続が必要でない場合や肉眼的に汚染した場合は病室を出るときに廃棄します。マスクは処置ごとに使い捨てることが望ましいでしょう。サージカルマスクは濡れると空気がフィルターを通過しにくくなりますので、濡れたら交換することが望ましいでしょう。
サージカルマスクは、着用者の呼気からでるしぶきの飛散や、着用者の鼻や口の粘膜や皮膚へ他者のしぶきがかからないようにするために使用します。サージカルマスク着用にあたっては、ノーズピースやプリーツ部分を調整し、できる限り顔へのフィット性を高めるようにして着用します。
ガーゼをマスクの中に入れることは、マスクからガーゼがはみ出したり、フィット性が低くなる可能性があります。また、呼気による湿気でフィルターの効力が減少するため、濡れたり汚れたりしたマスクは着けたままにせずに、交換することを薦めます。
MRSA、VREは接触感染予防策が必要となりますので、マスクの必要はありません。しかし、咳嗽による飛沫がある場合や吸引の処置を行う場合などは、標準予防策としてのマスク着用が必要となります。
N95マスクの装着場面は患者の病室に入るとき、診療・看護にあたるとき、結核が疑われる患者の気管支鏡検査や採痰指導、喀痰誘発や吸引等の飛沫をあびる処置を行うときに着用します。
患者には必ずサージカルマスクを装着してもらい、エレベーターや搬送中の車内では原則として病室に収容されている場合と同様の感染対策が必要です。また、搬送中は他の患者や面会者などがエレベーターを同時に使用することがないような使用方法について、配慮する必要があります。自家用車で行く場合、密閉された空間に同室することになりますので、患者にはサージカルマスクを装着してもらい、同乗者はN95マスクを着用します。可能であれば窓を開けて移動されることをお勧めします。
N95マスク着用時は、毎回、ユーザーシールチェック(マスクが十分開いているか、鼻当てがきちんと密着しているかを確認し、両手でマスクを完全に覆うようにして息を吸ったり吐いたりしてマスクと顔の間に隙間が無いかチェックする。)を実施し、適正な着用を確認します。
家族や搬送車の運転手などは医療従事者ではありませんので、適切な装着の指導も必要です。
面会者のご家族には、年間を通してマスクの着用を勧めていらっしゃるのでしょうか?インフルエンザなどの流行時期であればマスクの着用をお勧めするのは有効な対策だと考えます。しかし、マスクを着用していても手指が汚染されていれば外からの感染を防ぐことはできません。目的が外からの感染を持ち込まないことであれば、手指衛生の実施が重要だと考えます。それに加えて、咳などの症状がある場合や身近にそのような症状の人がいるが、どうしても面会が必要な場合にマスクの着用を促す方が良いと考えます。もちろん、そのような状態の際は面会を控えていただくことが必要です。
薬剤耐性菌は乾燥環境表面でも長期間生存します。そのことから、予防衣に付着して患者から患者へ伝播させるリスクがあります。そのために、湿性生体物質取り扱い時と耐性菌検出患者接触時には布製の予防衣ではなく、防水性のある使い捨てのビニールエプロンを使用することが必要です。
布製の予防衣は一見、自分の白衣を防護しているように見えますが防水性もなく、装着していても白衣が汚染されている可能性が高いです。布製の予防衣を使用する場合は、処置ごとに交換し、熱水消毒が必要となります。そのランニングコストを考えれば、コスト面でもビニールエプロンの方が有用であると考えます。
帯状疱疹は水痘-帯状疱疹ウイルスによって起こり、水痘に罹患したことがある場合や水痘ワクチンを接種したことがある場合に、知覚神経節にウイルスが潜伏し、細胞性免疫が低下したときに再活性化して発症します。帯状疱疹の感染対策は病巣が限局しているか、播種性であるかによって異なります。限局している場合であれば、水疱部分を被覆し標準予防策に接触感染予防策を追加、徹底することで多床室での対応が可能と考えます。ただし、播種性の帯状疱疹であれば空気感染により、水痘の罹患がない方など、水痘帯状疱疹ウイルスの抗体を保有していない方へ感染させる恐れがあります。
従って、そのような患者または医療従事者がいる場合には、個室隔離のうえで標準予防策に空気感染予防策、接触感染予防策を追加し実施する必要があると考えます。
水痘の抗体保有率については、2001年にある医療機関で実施された調査で、新入の医療従事者271名(男性143名、女性128名)のうち、男性4.5%、女性4.1%が抗体陰性であったという結果が報告されています。 水痘の抗体保有率は高いものの、一定の割合で抗体を保有していない人がいる可能性が考えられると思います。
多剤耐性菌の経路別予防策の期間は未確定となっており、隔離基準については、施設によって異なるのが現状です。また、時間をあけて再検査を行ったり、3回陰性であっても保菌の可能性があります。
入院による体力の低下や抗菌薬の使用により耐性菌が再発する可能性は否定できませんので、患者の全身状態に注意しながら判断する必要があります。日常の手洗いの徹底を指導し、医療従事者は標準予防策を遵守しましょう。
耐性菌の種類によりますが、ほとんどが接触感染予防策の対応になります。隔離予防のためのCDCガイドラインの中で「多床室での対応は、ベッドとベッドの間隔を3フィート(91.44 cm)以上離すこと、ケアを行う際、患者または患者の環境の汚染されている可能性のある区域との接触する場合、ガウンと手袋を装着する。」とあります。
このことに留意し、以下の対策が必要となります。
1. 使用する物品は可能な限り患者専用とし、専用にできない場合には使用ごとに、消毒薬含浸のクロスなどで清拭消毒を行う。
2. 患者・医療従事者がよく触れる高頻度接触面を中心に、1日1回以上、消毒薬含浸のクロスなどで消毒薬での清拭・清掃を行う。
3. 咳があり飛沫が飛散するする可能性がある場合はベッド間にカーテンを引く。
4.患者に触れた後はアルコール性擦式手指消毒剤で手を消毒するか、石鹸と流水での手洗いを行う。
尿からのESBL産生菌検出ということは、感染を起こすものは尿ということになりますので、接触予防策が必要です。尿により日常的に環境を汚染するような状態であれば隔離が必要となりますが、排尿時に尿汚染を起こさないようにすれば隔離の必要はありません。とはいえ、腸内細菌群は健常者でも容易に感染を起こすため、排菌状態により個室隔離やコホートが望ましいでしょう。排泄が自立している患者は、本人へ手洗いの徹底や環境汚染の配慮などの指導を行って下さい。尿器を使用するならば個人専用にして下さい。オムツならば交換時にエプロン、手袋を装着し接触予防策を徹底して下さい。バルンカテーテル留置中ならば、尿廃棄時の汚染に十分注意し、不必要な蓄尿はやめましょう。
Clostridium difficileはtoxinを産生する有毒株とtoxin産生性のない無毒株とに分けられます。 無毒株には病原性はありません。ディフィシル菌抗原(glutamate dehydrogenase : GDH)陽性だけであれば感染の危険は低いと言われますが、迅速キットの感度が低いものもあるため、抗菌薬の使用状況、腹痛や下痢症状の有無、内視鏡的な所見など総合的に判断し、接触予防策を実施することも必要となります。
また、抗菌薬の使用により、大腸菌の正常細菌叢が攪乱され、菌が異常増殖し、toxin産生に至ることがありますので、抗菌薬使用時は下痢などの症状に注意が必要です。
耐性菌検出の有無にかかわらず、発熱・咳などの臨床症状や感染兆候を疑う場合は、適切な検査や治療が必要となります。ムピロシン(バクトロバン®)軟膏での除菌に対し、CDCの医療現場における多剤耐性菌対策では、「除菌は日常的に推奨されない。MRSAの除菌は、集団感染の場合や高い感染率が認められる場合に限定する。」とされています。また、除菌効果は持続するものではありません。その後の検査で陰性であっても保菌の可能性があります。侵襲的治療が少ない施設での感染伝 搬リスクは少ないと考えられるため、日常的に患者への手洗い徹底の指導と医療従事者は標準予防策を遵守しましょう。個室隔離の基準については、施設によって異なっているのが現状です。
MRSA保菌・感染症患者の隔離基準の考え方として、
①MRSA腸炎患者
②気管切開や気管内挿管患者
③広範囲の皮膚病変・熱傷・褥瘡のある患者
④便に保菌し排便コントロールが困難な患者
等が挙げられます。
MRSA検出部位を把握した上で、処置やケアを考慮し、周囲に感染が拡大しないようアセスメントし対応していく必要があります。隔離解除基準については、オランダのMRSAガイドラインでは「7日間隔の培養検査で少なくとも3回陰性」を個室隔離解除基準と定めています。オランダではMRSA検 出率が1%未満であることからMRSAの封じ込めに成功していると判断できます。しかし、MRSA検出率が高い日本の現状では、隔離解除基準を設けることは難しいと考えられ、この方法を適応している施設もありますが、自施設に応じた隔離解除を検討していただくことが望ましいと考えます。
疥癬に対する感染対策は、原因となるヒゼンダニの寄生数によって違います。通常疥癬の症例ではヒゼンダニの寄生数が少ないことから感染力は低く、角化型疥癬のように個室隔離を含めた接触感染対策は不要とさ れており、隔離は不要で、清掃も通常の方法でかまいません。ただし、長時間の接触が必要なケアの際には、手袋の着用が必要と考えられます。また、リネンやタオル類、お風呂場のマットなど皮膚に直接接触するものの共用は避けるようにしてください。洗濯は通常と同様の方法でかまいませんが、運搬時にはビニール袋等を使用し、手で直接触る機会を減らすようにしてください。「疥癬診療ガイドライン(第2版)2007」(インターネットにより検索可)に、通常疥癬と角化型疥癬に分けて予防のポイントが記載してありますので参考にされてはどうでしょうか。
薬剤耐性菌が検出された場合の感染対策解除の基準は明確にはなっていません。そのため、施設によって解除基準は異なっているのが現状です。感染対策解除基準については、オランダのMRSAガイドラインでは「7日間隔の培養検査で少なくとも3回陰性」を個室管理解除基準と定めています。オランダと比較して日本ではMRSA検出率が高いため、個室管理解除基準を設けることは難しいと考えられ、この方法を適応している施設もあります。しかし、3回陰性であっても、保菌している可能性は高く、疾患による全身状態や抗菌薬の使用により耐性菌が再び検出される可能性も否定できません。自施設に応じた感染対策解除を検討していただくことが望ましいと考えます。
MRSA保菌・感染症患者の隔離基準の考え方として、菌量が多くリザーバーとなりうる病態が想定され、例えば、
①MRSA腸炎患者
②気管切開や気管内挿管患者
③広範囲の皮膚病変・熱傷・褥瘡がある患者
④便に保菌し排便コントロールが困難な患者
等が挙げられます。
薬剤耐性菌検出部位を把握した上で、処置やケアを考慮し、周囲に感染が拡大しないようアセスメントして対応していく必要があります。
現時点では患者に下痢がみられなくなれば接触予防策を解除することが推奨されています。環境の汚染と患者の皮膚への保菌状態が持続することを理由に,下痢が治まってから2日間は接触予防策を継続することを推奨する専門家もいます。
クロストリジウム・ディフィシルトキシンによる下痢か、経管栄養剤投与やその他の原因による下痢かの判断は、様々な側面からの判断になり、解除の判断は困難です。その為、下痢症状が持続している間は接触予防策を継続することが望ましいでしょう。国内でも解除基準は決まっておらず
①下痢が消失したら
②フラジール®やバンコマイシン®などの治療薬の内服が終了したら
③フラジール®やバンコマイシン®などの治療薬の内服を終え3日経過したら
など様々です。
施設の状況を踏まえ、施設ごとに決めることになります。
カルバペネム耐性腸内細菌科の細菌は、カルバペネム系抗菌薬を含む多くの広域β-ラクタム系薬に対し耐性を獲得しているのみならず、他の系統の抗菌薬にも多剤耐性を獲得していることが多く、感染症を引き起こすと治療が難しくなります。
基本的な対策はMRSAなどの多剤耐性菌の対策と同様に、標準予防策とともに接触予防策の徹底になります。そのため、家族への指導も重要になります。入退室時の手指衛生の徹底、小児の面会は、衛生行動が遵守できないことや免疫能が十分でないこと、さらに、病原体を持ち込んでしまう可能性があるため、可能な限り控えた方が良いと考えます。
速乾性手指アルコール製剤のボトルへの補充は勧められません。主成分であるアルコールは中水準消毒薬であり、芽胞形成菌以外の微生物汚染を受けることはありませんが、これまでに、セレウス菌やクロストリジウム・ディフィシル菌などの芽胞形成菌による医療関連感染やアルコール綿のセラチア菌汚染による院内感染事例が報告されています。
CDCガイドラインでは「石鹸ディスペンサーに継ぎ足しをしない。「継ぎ足し」は細菌汚染につながることがある」と記載されており、この項目は強く推奨(ⅠA)に位置づけられています。速乾性手指アルコール製剤を同じボトルへ継ぎ足ししてしようすると、アルコール以外の揮発しない成分や汚れがたまり、同様に細菌汚染の危険があります。
速乾性手指アルコール製材ボトルは使い捨て用に作られているので、長期間使用するとポンプの劣化がおこり、規定量が排出されず、適切な手指消毒が行えなくなる可能性があります。仮に補充を行うとしたら、ボトルを洗浄消毒し、十分に乾燥することが必要になります。それらに掛かる費用や労力を考慮すると費用対効果の点からもボトルへの補充は勧められません。
次亜塩素酸ナトリウムは希釈後の安定性は保管方法に左右されます。 直射日光下では急激な濃度低下をきたします。 気密性のある遮光容器であれば30日間ほど濃度を保つことができますが蓋の開放により濃度は低下します。また容器に浸漬する方法では有機物の混入が起こり濃度低下に繋がります。 濃度は低いほど安定性にかけますので0.01% (100 ppm) 程度なら24時間で作り変えて下さい。0.1% (1000 ppm) なら5~7日間以内を目安に作り変えて下さい。
使用する次亜塩素酸の使用説明書を確認し冷所保存や暗所保存を行って下さい。
個人用であれば、洗浄・乾燥を十分に行えば消毒の必要はありませんが、集めて保管しているとのことですので、交差感染のリスクがあります。そのため、使用ごとに、洗浄後0.01%(100ppm)次亜塩素酸ナトリウムに1時間浸漬消毒を行い、流水で十分にすすいだ後、乾燥させる方がよいでしょう。しかし、歯ブラシは構造上、洗浄、消毒が確実に行えませんので、一箇所にまとめて保管するのではなく、個人ごとに管理される方法を検討されることをお勧めします。
使用後の器材は速やかに蓋付きの容器に収納し、汚染が強い器材は、汚染物の固着や乾燥を防止するために、酵素系洗浄剤をスプレーしておきます。洗浄・消毒・滅菌については、スポルディングの分類に沿って処理方法が選択されるため、多剤耐性菌感染症者に使用したという理由で処理の方法が変わるわけではありません。
熱水洗浄が適しており、ウォッシャーディスインフラクターがあれば70℃以上の熱水条件で洗浄します。ウォッシャーディスインフラクターが無い場合、洗浄後に0.01%次亜塩素酸ナトリウム溶液に1時間浸漬消毒後、乾燥させます。
創部の洗浄に使用する膿盆はセミクリティカルな物品であるため、中水準~高水準消毒が必要です。血液が付着したままで乾燥させると、その後洗浄しても付着した血液のタンパクの除去が困難となり、その中に存在するウイルスを保護して消毒しても感染性が残ることもあります。患者の処置に使用した器材は、付着した血液や体液が飛散しないように運搬し、作業者の安全に注意して洗浄を行います。プラスチックエプロンまたはガウン、
手袋、ゴーグル、マスクなどの個人防護具を必ず着用して下さい。HBVやHCVを考慮した場合、グルタラール、フタラールへの10分間の浸漬、および過酢酸への5分間の浸漬、または0.1%以上の次亜塩素酸ナトリウムへの1時間以上の浸漬が有効です。消毒後は、器材をよく洗浄、乾燥させて使用します。
注意点として、グルタラール、フタラール、過酢酸のような高水準消毒が可能な消毒薬は、換気の良い部屋で適切な保護具を着用して使用することが必要です。また医療従事者の安全のみならず、患者の安全を確保するため、使用後は十分にリンスして残留毒性が無いようにすることも肝要です。病棟での使用はおすすめしません。
薬液カップや蛇管など取り外せる部品は0.01%次亜塩素酸ナトリウム溶液に1時間浸漬消毒後、乾燥させて下さい。24時間ごとに消毒を行いましょう。
<保管方法>
① 使用後にチューブの外側をアルコール綿で清拭し、チューブ内腔の有機物除去のために滅菌水を吸引する。
② ①のあとに8%エタノール添加の0.1%塩化ベンザルコニュウム(ザルコニン®A0.1、ヤクゾール®E0.1%)を吸引して、チューブ内に満たした後に、本液へ浸漬する。
③ 次の使用前には、消毒薬のリンスの目的で、滅菌水を吸引する。
<交換頻度>
使用ごとに消毒して、24時間までの再使用
気管内吸引は粘膜や下気道に直接接触するので、開放式気管内吸引の場合は、滅菌された吸引カテーテルを単回使用することが推奨されています。また、吸引カテーテルの複数回の使用はカテーテルや消毒薬が細菌の温床になる可能性がありますので、気管切開の患者さんに使用した吸引チューブと他の患者さんに使用した吸引チューブを一緒に消毒し使用することはできません。吸引チューブは形態からして洗浄・消毒・滅菌が難しく、細菌伝播の危険性があります。
酸素マスク、カニューレは基本シングルユースです。再利用して使用する場合は、熱水処理(70℃以上・30分間)や熱水消毒(80℃・10分間)もしくは0.01% (100ppm) 次亜塩素酸ナトリウムへの1時間浸漬での中水準消毒を適用することがよいでしょう。しかし、チューブ内を確実に消毒薬で満たす必要があり、また、洗浄後のチューブ内乾燥が困難となるため、シングルユースでの使用をお薦めします。酸素流量計の消毒は、加湿器に蒸留水を入れずに使用した場合は汚染がない限り洗浄・消毒は不要ですが、蒸留水を使用した場合はレジオネラ感染防止のために1週間毎の洗浄・消毒が必要です。消毒は熱水消毒(80℃10分)、もしくは低水準~中水準消毒剤0.1%両性界面活性剤や0.1%(1000ppm)次亜塩素酸ナトリウム30分間、もしくは、0.01%(100ppm)60分間浸漬し洗浄後乾燥が重要となります。加湿ボトル以外の部分は消毒用アルコールでの清拭消毒を行います。
吸引びんの消毒はフラッシャーディスインフェクター(90℃・1分の蒸気)、または、ウォッシャーディスインフェクター(80〜93℃・3〜10分間の熱水)などを用いて消毒して下さい。 熱水による消毒が行えない場合は、0.1%両性界面活性剤や0.1% (1000ppm) 次亜塩素酸ナトリウムで30分間浸漬消毒を行って下さい。
チューブからの逆流は無いとは思いますが、操作する医療者の手の汚染や周囲の環境の汚染などが考えられ、共有する場合は、交差感染のリスクが高くなることから、吸引器や吸引チューブは、患者ごとに交換するのが望ましいと考えられます。どのような場面で使用されているかにもよりますが、訪問看護等で吸引器の交換が困難な場合は、チューブは患者毎にすべて交換し、吸引器とチューブの洗浄と消毒、十分な乾燥を行って下さい。
再使用する器材は、スポルディングの分類に沿って処理方法を選択します。この基準は標準予防策の考え方に基づいているため、検査などで知られている感染の有無ではなく、各器具・機器類の使用部位や用途に依存する感染リスクに基づいて処理法を選択するという考え方です。経管栄養ボトルはノンクリティカル器材に分類されます。適切な洗浄・(消毒)・乾燥が行われれば、痰から緑膿菌が検出されていることを理由に個別にする必要はないと考えられます。
経管栄養チューブに酢水を充填することは閉塞予防の観点から日本静脈経腸栄養学会で推奨されています。また、0.1%酢酸が静菌作用を示すことが報告されています。しかし、酢酸水をフラッシュしても、チューブ内の酢酸が経管栄養剤や体液などで不活化あるいは希釈されることで、チューブ内の細菌汚染を防ぐことはできないと推定されています。
また、経腸栄養用チューブ内へ日本薬局方酢酸(約30%酢酸)15mlと白湯3mlとの混合液(約25%酢酸)をフラッシュして、患者が死亡した事例がありますので、胃瘻チューブ内のフラッシュには、感染管理と安全管理上では、白湯や水道水などを用いることが推奨されています。
使用後のシャワーボトルは洗浄して、0.01%(100ppm)~0.1%(1000ppm)次亜塩素酸ナトリウム(500倍~50希釈ハイター®)に浸漬します。そして、1時間程度浸漬させた後に乾燥させておくか、または次回使用時まで浸漬させておきます。この際の次亜塩素酸ナトリウム濃度は、目にみえる汚れの付着がなければ0.01%で差し支えありません。また、希釈後の次亜塩素酸ナトリウムを7日間などにわたって用いるのであれば、その濃度チェックを日産アクアチェック®HC(1枚が約20円)などを用いて行って下さい。希釈後の次亜塩素酸ナトリウムは、有機物(汚れ)の混入が少なければ、7日間程度は使用可能です。なお、浸漬はフタ付きの容器で行って下さい。
使用後の陰部洗浄ボトルは、たとえ目に見える汚れの付着がなくても、洗浄時のしぶきなどで微生物汚染を受けている可能性が高いと考えます。ボトルの共有は感染拡大の原因の一つになるため、熱水洗浄や浸漬消毒後、乾燥させて使用して下さい。
使用後の陰部洗浄ボトルは、たとえ目に見える汚れの付着がなくても、洗浄時のしぶきなどで微生物汚染を受けている可能性が高いと考えます。ボトルの共有は感染拡大の原因の一つになるため、患者ごとに準備することが推奨されます。使用後の処理方法については、熱水洗浄や浸漬消毒後、十分乾燥させて使用して下さい。ESBL産生菌が増えている事と陰部洗浄ボトルの共用に関連があるかは、遺伝子検査などを行わないと不明ですが、陰部洗浄ボトル以外にも、オムツ交換の手技や尿道留置カテーテルの集尿時の手技、個人防護具の使用など確認する必要はあると考えます。
マウスピースはセミクリティカル器材となります。耐熱性であれば、ウォッシャーディスインフェクターなどによる熱水洗浄を第一選択とし、それに加え高圧蒸気滅菌を行うことが確実で安全です。耐熱性でない場合には、洗浄後に消毒用エタノールへの10分間浸漬や、0.1%次亜塩素酸ナトリウムへの30分間浸漬により消毒を行います。ディスポ製品も販売されています。
元来、単回使用器材の場合は、種類を問わず、添付文書で指定された使用方法を遵守するとともに、「特段の合理的理由がない限り、これを再使用しない(厚生労働省の通知)」というのが原則であり、再使用により問題が生じた場合は医療施設の責任が問われます。仮に再使用可能なものであっても、素材や形状、強度や洗浄・消毒・滅菌が問題なく行える構造なのかを良く検討し、施設として方針を定めておく必要があります。ご質問の鉗子は、無菌の組織に使用するものですので、患者の感染の有無にかかわらず製造元の取り扱い添付文書に従い分解し、洗浄・消毒・滅菌する必要があります。また、細腔状であるため、高圧蒸気滅菌およびエチレンオキサイド滅菌ともに滅菌不良が起こる可能性があります。そのため、細腔状のものの滅菌工程を評価する工程試験用具(PCD)を使用して滅菌物に対する蒸気およびEOGの浸透性を把握する必要があります。またEOGについて今回のような細腔状の器材では、エアレーションが不十分でEOGと副生成物の残留もあるため、製造元の取り扱い上、可能であれば高圧蒸気滅菌が安全です。
製品によって異なる場合がありますので、管理方法については電極の添付文書の保守・点検に係る事項を確認してから清拭などを行なって下さい。
(例)胸部電極TE- フクダ電子株式会社
・消毒用アルコールを使用して清拭して下さい。
・清掃にシンナー、トルエンなどの有機溶剤は使用しないで下さい。
再使用可能な心電用電極のゴム球を介したと思われる感染の報告もされています。現在はディスポーサブル商品も出ており、単回使用がベストであると考えます。しかし、コスト面やその他の事情から単回使用が難しい状況もあるかと思います。単回使用をしない電解質パッドの交換頻度としては特に定められたものはないですが、施設や部署により使用頻度や保管状況も異なりますのでそれぞれの施設、部署で1回/日、1回/週など交換頻度を決めていただくと良いと思います。
滅菌物の保管環境としては、温度18~22℃、湿度35~75%で、換気システムが整備され、滅菌物専用の保管場所が望ましいです。具体的には床から20~25㎝、天井から45㎝、外壁から5㎝以上の距離を取り、段ボール等には保管せず、原則扉付きの棚に収容するようにします。また、滅菌物が破損しないようにゆとりをもって保管します。例として、滅菌バックを折り曲げない、輪ゴムで止めない、重ねて置かない、滅菌バッグにボールペンやマジックで文字を記載しないようにします。保管場所へ収納する時は、古いものから使用できるように収納をしていきます(先入れ先出し法)。さらに、使用頻度を考えた定数管理を行っていくことも大切です。
滅菌物の有効期限(使用期間)(以下、安全保存期間という。)の設定の考え方には、時間依存型無菌性維持(TRSM)と事象依存型無菌性維持(ERSM)があります。安全保存期間は包装材料、包装形態、保管状況などの条件によって異なります。したがって、一律に有効期限を設定することは難しく、施設の責任のもとに安全保存期間を設定しているのが現状です。どのような取り決めをするにしても、滅菌物が適切に保管できることが条件となります。通常通りの有効期限とは、適切な環境下で保管した安全保存期間であり、滅菌物と未滅菌物が混在している場所では、無菌性の維持が困難な環境にあると考えられますので、保管場所を検討する必要があります。
滅菌物などを保管するには扉の閉まる収納棚など埃やゴミ、湿度の影響が少ないものに保管した方が良いと考えます。滅菌物でない場合も医療器材が汚染(包装の破損、湿潤、浸水、害虫により)しないような場所に保管します。さらに、カゴを使用する場合も同様の管理ができるものにします。使用するカゴは凹凸等が少なく、清掃や洗浄がしやすい耐薬性や耐熱性のものが管理しやすいと考えます。
布団や畳、絨毯は完全に洗浄や清掃、消毒することは難しいので、可能であれば廃棄が望ましいです。2006年、東京のホテルの事例では嘔吐発生後、数日が経過した嘔吐場所が感染伝播の原因になっています。
嘔吐物などを不適切に処理、もしくは放置することにより、ウイルスを含んだ小粒子が環境(この事例の場合は床のカーペット)中に大量に残存した状態になり、そのような状態にある床などの環境表面を媒介物として、そこから塵埃が舞い上がり、それを吸い込んだ人が感染したと推定されています。
廃棄が困難であれば以下のような方法をとります。布団などすぐに洗濯できない場合、可能な範囲で吐物を拭き取ります。そして、次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度1000ppm=0.1%以上)に浸漬消毒させ、通常の洗濯をします。浸漬消毒ができない場合は汚染部位を目視で確認できる範囲よりも広く次亜塩素酸ナトリウムで10分間湿らせ、その後、水拭きをします。最後にスチームアイロンや布団乾燥機を使うと効果的です。処理などをする際は、マスク、ゴーグル、手袋、エプロン、シューカバーなどの個人防護用具を正しく装着し処理を行います。また、次亜塩素酸ナトリウムは塩素系の消毒剤ですので処理時は換気も行いながら実施しましょう。
感染性のあるリネン等の取扱い時には、スタンダードプリコーションの考えに準じて、個人防護具を着用し処理を行います。
方法としてはまず、感染性のあるリネンは水溶性ランドリーバッグもしくはプラスチック袋に入れ、感染性を明記して洗濯施設に運搬します。感染性のあるリネンの洗濯・消毒方法として、下記の方法があります。
①80℃の熱水で10分間以上洗濯処理を行う方法
②次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素系消毒薬を加えて洗濯する方法 例:ノロウイルスなどの汚染が考えられるリネンは、0.05~0.1%(500~1000ppm)次亜塩素酸ナトリウムへ30分間浸漬する。その他の場合には0.02%(200ppm)に5分間以上浸漬する。
③その他の消毒薬を加える方法
例:塩素系洗剤の漂白効果により影響を受けるリネンは、0.1%ベンザルコニウム塩化物液、0.1%ベンゼトニウム塩化物液または0.1%アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩液に30分間浸漬する。
④すすぎの段階で次亜塩素酸ナトリウムを使用する方法
例:0.01~0.02%(100~200ppm)次亜塩素酸ナトリウムのすすぎ水に5分間浸漬する。
以上の方法があります。したがって、質問にある方法は概ね妥当と考えます。
リネンの外部委託については、「病院、診療所等の業務委託について」(平成5年2月15日指第14号厚生省健康政策局指導課長通知)「第八 患者等の寝具類の洗濯業務について」(令第四条の七第七号関係)が出されています。内容は、「感染の危険のある寝具類については、その洗濯を外部委託できるものであっても、やむを得ない場合を除き、これに係る消毒は病院内の施設で行うこと(例外的に消毒前の寝具類の洗濯を外部委託する場合には・・・以下略す)」とあります。この「例外的に」というのは、「原則として施設内で、寝具類の消毒を行い、外部委託業者に出すのであるが、災害等により設備が使用できない時、一時的に消毒を行う設備が機能していない時に、外部委託する場合」を指しています。したがって、院内で処理する必要があります。例外的に消毒前の感染性リネンを外部委託する場合は、感染の危険がある旨を表示した上で、密封した容器に収めて持ち出す必要があります。
廃棄が望ましいです。しかし、廃棄が困難で消毒薬も使用できない場合は熱水への浸漬が有効です。まず、水の中でウイルスが飛び散らないように静かにもみ洗いし吐物を取り除き、その後、熱水洗濯機があれば80℃10分間で洗濯をします。熱水洗濯機がない場合は80℃のお湯に10分間浸漬します。温度が下がらないように温度計を使用し、80℃を維持できるようにお湯を継ぎ足します。火傷をしないように注意して下さい。最後にスチームアイロンを使うと効果的です。
シーツ等のリネン類は、汚染拡散しないよう病室内でビニール袋に入れ密封し、80℃10分以上の熱水洗濯をします。(芽胞の状態では熱抵抗性も強く、80℃熱水消毒では殺菌できませんが、洗濯工程で大量の水で洗い流すことにより感染リスクを減らすことができます)。熱水洗濯ができない時は、通常の洗濯工程後、すすぎ工程で0.1%次亜塩素酸ナトリウムを注入し、「貯めすすぎ」を30分間行って下さい。
水で湿らせた布類で汚染部位を拭き取ります。その後、消毒をします。消毒薬を選択する場合、基本的には低水準消毒薬でも有効ですが、抵抗性を示す場合がありますので、なるべくアルコールや200~1000ppm(0.02~0.1%)次亜塩素酸ナトリウムを選択し、浸すように清拭し、再度乾燥させる方法などが可能と思われます。今後は、拭き上げができる素材のものにするか、防水性のカバーの使用を検討して下さい。
吸引チューブの使用患者数と使用頻度によって異なります。 吸引チューブを再使用するために必要な消毒薬や浸漬容器の準備と管理、そのためにかかる時間について人件費を計算して検討してみてはいかがでしょうか。
シングルユースと書かれている医療器材の再使用については医療施設の責任が問われます。経管栄養チューブは、原則として単回使用がメーカーより推奨されています。やむを得ず再使用する場合は使用ごとに中性洗浄剤で洗浄し、シリンジなどを用いて洗浄液をチューブ内に少し圧がかかる位の強さで押し込みます。すすぎも流水で同様に行ないます。また、汚れがないことを確認した後、熱水洗浄か0.01%濃度の次亜塩素酸ナトリウムに1時間以上浸漬し消毒します。この時もシリンジなどを用いてチューブ内に消毒液を充填させ、すすいだあとは、乾燥させて使用します。また、チューブ類を再使用する場合の交換頻度については、24時間毎に使い捨てとするのが望ましいとされています。感染事例が発生した場合、施設側に責任が生じるという点を認識し十分に注意して下さい。
ディスポーザブル製品を導入した場合のコスト試算と、再利用するためにかかるランニングコスト(洗浄・消毒・乾燥にかかる消毒薬使用費、時間、人件費等)を比較して、計算してみてはどうでしょうか。洗浄機の購入費用とも比較し、それの導入による洗浄作業の効率化や一定水準の洗浄、保証(インジケーター等での確認や目視での確認が必要ですが)と、人件費や他業務への時間還元を考慮して、相対的に比較検討されてみてはいかがでしょうか。また、酸素マスク、カニューレ等は基本的にシングルユース器材です。やむを得ず再利用する場合は洗浄後、中水準消毒もしくは熱水処理が適切です。熱水処理(70℃以上・30分)や熱水消毒(80℃・10分)もしくは0.01%次亜塩素酸ナトリウム液への1時間の浸漬も可能ですが、洗浄、消毒、乾燥の工程は適切に行わなければなりません。これらが適切に行われない場合、消毒は不十分となり再利用は難しくなります。シングルユースと書かれている医療器材の再使用については医療施設の責任が問われ、この点について施設の方針を明確にしたうえで、素材や形状、強度や洗浄・消毒・滅菌が問題なく行える構造なのかを検討し、施設として判断することが大切です。
感染性廃棄容器の移し換えは、血液、体液の流出などにより、移し換える人への感染リスクを高めますので、原則として行わないようにしましょう。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律によると、廃棄物は大きく産 業廃棄物と一般廃棄物に分けられ、それぞれの中で爆発性や毒性、感染性等の人の健康や生活環境 に被害を及ぼす恐れがある廃棄物を特別管理廃棄物として通常の廃棄物よりも厳しく規制しています。感染性廃棄物は特別管理廃棄物の一つであり、医療関連機関から 生じ、人が感染し、若しくは感染するおそれのある病原体が含まれ、若しくは付着し、又はこれらのおそれがあるものと定義づけられています。
廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル(平成24年5月 環境省大臣官房)の5ページ、「感染性廃棄物の判断フロー」に基づいて考えると、薬剤耐性緑膿菌に 感染している患者さんに使用した個人防護具には、体液(尿その他)が付着している可能性があると判断するのが妥当かと思います。(STEP1形状)
また 薬剤耐性緑膿菌は5類感染症にも位置づけられますので、感染性廃棄物として処理することが適切と考えます。(STEP3感染 症の種類)ESBL 産生菌の多くは腸内細菌なので、便や尿などに保菌している可能性が高いと考えられます。ESBL産生菌は感染症法上の届出は不要ですが、 ESBL産生菌の耐性遺伝子はプラスミド上にあるため、他の人の体内に入り、耐性化していない大腸菌などにこの遺伝子が伝播 するという点でも感染対策上、 非常に重要な耐性菌のひとつと言えると思います。
以上の点も含めて前述のSTEP1の可能性が大きいことから感染性廃棄物での処理がいいのではないかと思います。
参考までに、5類感染症には以下の感染症が含まれます。
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA),薬剤耐性緑膿 菌感染症(MDRP),バン コマイシン耐性腸球菌(VRE),感染性胃腸炎, HBV,HCV,HIV,先天性風疹症候群, 水痘,風疹,麻疹,急性出血性結膜炎,クロイ ツフェルト・ヤコブ病,手足口病,百日咳,流行性角結膜炎(EKC),バンコ マイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症(VRS A),ペニシリン耐性肺炎球菌感染症(PRSP) などなど・・・。
感染症の有無にかかわらずリネン類は、80℃以上の熱水で10分間以上の洗濯処理を行うか、次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素系消毒薬を加えて洗濯を行う(例:0.01~0.02% (100~200ppm) 次亜塩素酸ナトリウムで30分浸漬)必要があります。感染性のあるリネンは水溶性ランドリーバッグもしくはプラスチック袋に入れ感染性を明記して洗濯施設に(密閉した状態で)運搬することとされています。袋に入れる際には、着用しているユニフォームや周囲環境を汚染しないように注意し、袋へ入れた後も中の空気を一気に押し出すようなこと(エアロゾル化)をしないようにしましょう。感染性のあるリネンとは、通常は血液、体液、分泌物などの感染性がある物質が付着したリネンのことを指しますが、耐性菌が検出されている患者が使用したリネンを、耐性菌の拡散防止を目的として、「感染性リネン」として扱うことがあります。
インフルエンザウイルスなど飛沫感染するウイルスは、湿度30-40%程度が生存しやすい為、できれば湿度を50~60%に保つのが望ましいとされています。空気が乾燥するとウイルスを含む飛沫に含まれる水分が蒸発しやすく、空気中を漂う感染性のウイルス粒子が増えます。また、喉の粘膜の防御機能が低下し、感染を起こしやすい状態になります。
部屋の湿度を上げる方法の一つとして、霧吹き噴霧はあるのかもしれませんが、どれくらいの効果があるのかはわかりません。効果の確認のために、霧吹きの前後の部屋の湿度を計ってみられてはいかがでしょうか?
それ以外の方法としては「濡れタオルをつるす」方法や「カーテンに霧吹きで水を噴霧する」方法があります。「カーテンへの霧吹き」では噴霧後30分間は急激な湿度上昇をもたらしたが2時間後には噴霧前の値まで低下し、「濡れタオル」は急激な湿度上昇はもたらさないものの6時間以上効果が持続したとの報告があります。
どちらの方法にも言えることですが、タオルや噴霧器の容器および水は汚染していないことを確認してください。カーテンは交換頻度も少ないと思われるので、毎日新しいタオルを使用するのが良いのではないでしょうか。
環境の微生物検査については、医療関連感染の発生率は、環境表面の細菌汚染レベルとは関係がないことや、環境表面における微生物汚染の許容基準がないことから、定期的な環境の付着細菌検査を行う必要はありません。CDCの2003年、環境感染管理のガイドラインでも「医療機関において、空気、水、および環境表面のランダムで目的の不明確な微生物検査はするべきでない」と勧告しています。ただし、病院環境が感染の拡大の原因と疑われる時は、環境培養検査を実施することがあります。その場合でも費用対効果を十分考慮に入れ、細菌検査室のスタッフと協議の上行います。
強酸性水は水道水を電気分解することによって生じる次亜塩素酸が殺菌力を有します。よって「病室のテーブルや床の清掃」「プラスチック製品等の洗浄」などに使用できると考えます。しかし、強酸性水は消毒薬として厚生労働省が認可していませんので、消毒薬でないことを認識して使用すべきです。また、強酸性水は長期保存や開放容器に保存、遮光せずに保存することにより殺菌力が低下してしまいますので、作成後直ちに使用して下さい。
スポルディング分類ではノンクリティカルになります。低水準消毒薬での洗浄消毒の区分となりますが、塩化ベンザルコニウム液は陽イオンであり、石鹸や洗剤などの陰イオン界面活性剤により沈殿物を生じ殺菌力が低下します。両面活性剤は有機物の影響を受けにくく広い領域で作用しスペクトルの広い殺菌作用を示しますので、浴槽や沐浴槽には両面活性剤での洗浄が推奨されます。家庭用洗剤で洗浄後、両面活性剤で浸漬し、十分乾燥させるようにして下さい。
結核は結核菌の飛沫核が肺胞まで到達し感染する感染症です。飛沫核とは、咳やくしゃみによって飛び散る飛沫の水分が蒸発したものです。結核患者から飛散された結核菌を含む飛沫を吸っても肺胞までは到達しないので感染は成立しません。 手指を介して接触感染することはないので一般病室と同じ清掃で良いでしょう。
感染性結核患者の収容区域の空気が他の区域に流出しないように換気は十分に行って下さい。患者退室後に、ドアを閉め切り窓を開放して空気の入れ替えを1時間程度行うと良いでしょう。室内の清掃に関しては、特別な消毒を行う必要はなく、通常の清掃で十分です。
集団発生しウイルスの存在が予想される環境には0.02% (200ppm) 次亜塩素酸ナトリウムで拭きあげ、10分程度時間をおいて水拭きを行います。嘔吐物や排泄物による汚染がある場合は、0.1% (1000ppm) 次亜塩素酸ナトリウムを使用し処理しましょう。入浴は最後にし、浴室もウイルスが付着する危険があるので、0.02% (200ppm) 次亜塩素酸ナトリウムで浸すように拭くと効果があります。 温度が上がると効果が半減するので注意しましょう。ただし、症状の強い時期はウイルスの排泄量も多いと考えられますので、入浴は控えたり、個室の浴室を使用する必要があります。また、高齢者は、嘔吐や下痢による脱水症状を助長させる危険性もあるので注意しましょう。
トイレの消毒部位は、洋式トイレの便座、便座のフタ、フラッシュバルブ、水道ノブ、ドアノブ、床の糞便や吐物で汚染を受けた可能性のある部位と手で触れる部分です。トイレ(洋式トイレの便座、ドアノブ、フラッシュバルブ)などの消毒では、消毒方法としては次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度1000ppm=0.1%以上)で清拭後、水拭きも有効です。しかし、消毒用エタノールでの清拭がより適しています。消毒用エタノールは次亜塩素酸ナトリウムに比べて、臭いが少なく、プラスチックや金属に対する劣化作用が小さいからです。ただし、ノロウイルスに対するエタノールの効果はやや弱いので、2度拭きでの対応が望まれます。清拭して15秒程度経過後にふたたび清拭を行って下さい。その他、次亜塩素酸ナトリウムの代用としてペルオキソー硫酸水素カリウム(ルビスタ®)もあげられます。ペルオキソー硫酸水素カリウムは次亜塩素酸ナトリウムの類似化合物ですが次亜塩素酸ナトリウムに比べ臭いや材質劣化が改善されています。
インフルエンザウイルスは、いわゆる細胞内寄生体ですので、咳やくしゃみで体外に出た場合(細胞外)は短時間しか生存できません。物の表面においてウイルスが生存可能な期間は、条件(温度、湿度、材質など)によってかなり異なります。凸凹の多い表面では1~2日、マスクやティッシュ、衣服に付いた場合は半日ほど感染力を保っているようです。そのため、飛沫感染予防策に加え、接触感染予防策が必要となってきます。インフルエンザは消毒液に対して抵抗力の弱いウイルスですので、消毒薬含浸クロスなどを用いたこまめな環境清拭や手指衛生が必要です。
医療関連感染は、医療従事者の手指を介して発生することが多く、手指の接触頻度に応じて清掃を行うことが重要です。床や壁、天井などの医療従事者や患者が直接接触する頻度が低い部分と、ドアノブやベッド柵、オーバーベッドテーブルなどの直接接触する頻度が高い部分(高頻度接触表面)とに分けて考える必要があります。高頻度接触表面は汚染されやすいため、1日に1回以上清掃を行うことが望ましいです。大切なことは、日常的に埃や汚れを取り除いておくことです。血液や体液による汚染がある場合は、消毒薬を用いての消毒が必要ですが、それ以外の場合には環境消毒は必要ありません。薬剤耐性菌感染患者が使用した病室等において消毒薬による環境消毒が必要となる場合はアルコール清拭または第4級アンモニウム塩や両性界面活性剤で清拭を行い、身体に対する毒性等がないように配慮することが必要です。
MRSA患者の病室の環境は、患者が直接触れていない部分にも医療従事者が触れることで広範囲に付着している可能性があります。消毒用エタノールや第4級アンモニウム塩、クロルヘキシジングルコン酸塩などの消毒薬を使用することが望ましいでしょう。特に手指が高頻度に触れる部位、ドアノブ、ベッド柵、オーバーテーブル、床頭台、スイッチ、ナースコール、病室トイレ周辺などは念入りに清掃して下さい。
床や壁面の環境が感染源となる危険性は低いので、通常の清掃では消毒薬を使う必要はありません。ただし、飛沫の飛散など汚染の可能性がある場合は、消毒用エタノールや第4級アンモニウム塩、クロルヘキシジングルコン酸塩などの消毒薬を使用して清掃して下さい。
表皮が破綻し浸出液が出ている場合は伝播を防止するために、ハーバード浴は最後に行う方が良いでしょう。入浴後は家庭用洗剤(お風呂用)や0.5%両性界面活性剤で強くこすり洗いし、5分間以上放置後に洗い流します。その後、十分に乾燥させて下さい。
Clostridium difficile はtoxinを産生していなければ感染の危険はありません。toxin陰性ならば低水準消毒薬の環境整備で良いです。しかし、toxin陽性例や疑い例については、高頻度接触面を0.1% (1000ppm) 次亜塩素酸ナトリウムで環境清掃を行い、下痢が消失し2日程度経過して隔離解除と共に通常の清掃に戻すのが望ましいでしょう。
破水していると外因感染しやすくなることを考えると、何もせずに不潔にしておくよりも、洗い流すことには問題が感じられません。ですが、どのような理由でシャワーを不可と指示されているのか、医師の理由を聞く必要があるでしょう。
陰部の洗浄をよく行ってから入浴するようにして下さい。 伝播を避けるためには、入浴は最後が良いと思います。腸内細菌属などグラム陰性桿菌等は水周りに繁殖しやすい菌が多いので、入浴後は浴槽洗浄を行い、十分に乾燥させて下さい。
尿バックをビニール袋で覆う目的は、尿道カテーテルの「エアフィルター」、「通気フィルター」などと呼ばれるフィルターが水濡れにより、フィルターの機能が失われることを防止するためです。フィルターの主な機能は、採尿バッグの中の圧を調節して、採尿バッグ内への尿の流出を良好に保つことにあります。フィルターの機能を失うと、採尿バッグ内への尿の流出が阻害され、尿路感染のリスクが生じる可能性はあると考えられます。また、排出口が汚染されると逆行性感染も考えられますので、入浴前には採尿バッグ内の尿を廃棄することや、入浴中はバッグを浴槽にいれず、濡れないようビニール袋などで保護することは必要だと考えます。ビニール袋の代替えに関してですが、使用後の洗浄や乾燥、その後の保管場所等を考えると、1回ごとに廃棄する方法が最善であり、コスト面も考えるとビニール袋の使用で問題ないと思います。もし、その他のものをお探しであるならば、1回ごとの使い捨てができ、防水性のあるもので対応すると良いと思います。
輸液類の中身は清潔でも、外袋の中までは滅菌されているわけではありません。外側は汚染されている可能性があるため、輸液バック注入口のシールやバイアル瓶のキャップを外したら、ゴム栓面をアルコール面でゴシゴシとこすって消毒してから使用します。
ボトルの検体刺入部位(ゴム栓)を10%ポビドンヨード液または消毒用アルコールで消毒します(できる限りディスポーザブル使用で対応する)と記載されています。ただ、生体消毒薬と非生体消毒薬という分類で考えると、ポビドンヨードは生体消毒薬となります。 生体消毒薬ですが非生体消毒薬でもある消毒用アルコールでの消毒が望ましいと考えられ、個包装の消毒用アルコール綿で清拭消毒が推奨されます。
ベンザルコニウム塩化物は逆性石けんであり、基本的には非生体向けの消毒薬で、主に家具、床などノンクリティカルな環境の消毒に用います。しかし、日本においてはクロルヘキシジングルコン酸塩の粘膜適用は禁忌となっているため、皮膚粘膜に対する刺激性や臭気の少ない実用濃度のベンザルコニウム塩化物などの逆性石けん液を粘膜の消毒に適用する場合があります。これまでに、微生物で汚染された逆性石けん液を膀胱鏡あるいは心臓カテーテルに使用したために感染症を引き起こしたという報告や静脈カテーテル挿入部の皮膚消毒に汚染された綿球を使用したために敗血症を引き起こしたという報告があるため、生体への一般的な消毒としてはおすすめしません。アルコールに対して過敏な方の採血時の消毒には、クロルヘキシジングルコン酸塩液を使用されてはいかがでしょうか。クロルヘキシジンをグルコン酸塩とすることによって水溶性としたビグアナイド系化合物で、皮膚に対する刺激が少なく、臭気がほとんどない生体消毒薬(antiseptics)です。各社から単包の製品が発売されており、アルコール過敏症の方へ使用する際に管理も簡便だと思います。
オムツに吸収されずに採取するために、オムツの臀部接触面にラップやビニール袋を切って貼るなどしてはどうでしょうか。ノロウイルスに対して、特異的な治療薬はありませんので、流行時期である、または、その時期に周囲で急性胃腸炎症状がある人がいる場合などは積極的にノロウイルスを疑い、隔離と標準予防策と接触予防策の徹底を行うことが基本となります。また、各施設で導入されている検査キットにもよりますが、スワブでの検体採取が可能なものもありますので、ご検討されてもいいかもしれません。
病院で調製される緑茶には殺菌効果はないとされています。そして緑茶にはアミノ酸や多糖類などの成分が含まれており、これらは細菌の繁殖を促進します。確かに実験室レベルではカテキン類のMRSAに対する抗菌効果は確認されているようですが、現時点での臨床への応用は無理1)と判断されています。次に、MRSA除菌の必要性についてですが、すべての保菌者に対する除菌は、その目的が何であるのかを考える必要があります。除菌方法として確立しているものはムピロシン軟膏(商品名:バクトロバン®)ですが、限定的な状況での使用が推奨されています。感染症を起こしている場合は、適切な抗MRSA薬による治療が必要です。院内拡大防止を目的としているのであれば、標準予防策と接触予防策の徹底に力を入れる方が最善と考えます。
尿道カテーテル関連尿路感染を防止するためには、尿道カテーテルの閉鎖システムを保つことが重要になります。膀胱洗浄を行うためには、閉鎖システムを開放する必要が出てきます。開放してしまうことで、細菌が回路内へ侵入する機会を作ってしまいます。さらに、膀胱洗浄は、カテーテル内の混濁尿や浮遊物を膀胱内に入れることにより、感染の原因となることが考えられます。2009 年「カテーテル関連尿路感染の予防のためのガイドライン」ではカテーテルの閉塞が予測されない限り膀胱洗浄は推奨しないとされています。膀胱洗浄が必要な場合として、血塊や浮遊物等でカテーテルが閉塞した場合や、泌尿器科術後で血塊などによりカテーテルの閉塞の可能性が高い場合等に限定したほうが良いと考えます。その場合も、無菌操作で実施し、洗浄液は滅菌した生理食塩水を用います。各施設で、感染のリスクが高くなることを踏まえて、膀胱洗浄を実施するケースを取り決めると良いと思います。
接続部が増えることにより感染の機会が増える為、輸液ラインはできるだけ一体型を用います。薬物注入、静注投与、血液検体採取に使われる三方活栓は、微生物にとって血管アクセスカテーテルと静注輸液の侵入口と言えます。そのため、カテーテルプラグ(クローズド輸液システム)は輸液回路が開放されることがないため、感染防止に寄与すると言われています。血管内留置カテーテル由来感染の予防のためのCDCガイドラインでは、ニードルレス血管内留置カテーテルシステムについて少なくとも点滴セットと同頻度の程度で交換する、72時間以内の交換はメリットがないということが言われています。しかしながら、カテーテルプラグについては、品質、耐久性も関連する為、血流感染防止の面からのメーカー推奨を確認し対応することが望ましいと考えます。操作性、煩雑性から汚染させるリスクが上がることを考慮し閉鎖性を維持できる方法がより良いと考えます。閉鎖式カテーテルを開放させることになる為、可能な限り頻回に交換はしないが、カテーテルプラグの汚染が見られたら交換することを原則とすることが妥当ではないかと考えます。
消毒液は正常皮膚に使用すべきで、創面には直接使用しないとされています。好中球や繊維芽細胞、ケラチノサイトなどの創傷治癒に必要な因子に対して消毒薬が有害となるからです。皮膚が正常で発汗が多くなければ滅菌透明ドレッシング材を7日ごとに交換します。患者が発汗症である場合または部位が出血または、滲出している場合、これが解決されるまでガーゼドレッシングを使用し原則的に毎日交換します。
床や壁面の環境が感染源となる危険性は低いので、通常の清掃では消毒薬を使う必要はありません。ただし、飛沫の飛散など汚染の可能性がある場合は、消毒用エタノールや第4級アンモニウム塩、クロルヘキシジングルコン酸塩などの消毒薬を使用して清掃して下さい。
どのくらいでカルキが抜けるかわかりません。 水道水は塩素消毒が行われていますが、汲み置きしておけば塩素濃度は低下するので、感染面からは勧めません。
自宅への退院が可能であれば、自宅退院か一時退院が望ましいでしょう。継続入院が必要であれば、インフルエンザのウィルス排出期間を個室で管理してはいかがでしょうか。あるいは、接触する患者にインフルエンザのハイリスク患者がいるのであれば、抗インフルエンザ薬の予防投与についても検討してみる必要があると思います。人員が確保できるのであれば、インフルエンザのウィルス排出期間中は他の患者と接触しないように、職員が付き添う方法も手段の一つかと思われます。
保管場所は、部署のスタッフ自身に検討してもらうと周知しやすいでしょう。使用方法はマニュアルに載せて、感染性胃腸炎の流行時期にマニュアルに沿って説明をしてはいかがでしょうか。
「鼻が低いから」マスクを使用しないといわれる理由のひとつには、マスクのサイズが合わないことが考えられます。しかし、現在、ほとんどのマスクにはノーズピースがついており、それぞれの鼻の高さにあわせることが出来ます。サイズがあわない時には、顎の部分がきちんと覆えていなかったり、大きすぎてマスクがたわんで装着できないこともあります。必要があればサイズの違うマスクの導入を検討されてもよいかと考えます。また、何度もマスク着用方法を指導してもということですので、面倒で装着しないということも考えられます。個人防護具の着用は標準予防策の中でも重要であり、医療従事者を血液や体液由来の病原性微生物からの曝露するリスクを低減する目的と、医療従事者の呼気に含まれる微生物から患者や他の医療従事者を守る目的があります。標準予防策は全ての人の汗を除く血液・体液・分泌物・粘膜・傷のある皮膚は感染性があるものとして扱うという感染対策の基本的は考え方です。そのことを十分に理解してもらえるよう、着用目的と場面を具体的に説明したり、写真を入れたポスター等による繰り返しの指導が必要だと考えます。
手荒れにより黄色ブドウ球菌等の定着が起こり、手指衛生を実施しても細菌が減少しにくくなること、また、刺激性の問題から適切な手指衛生の遵守ができない状況に陥り、患者や自分自身の感染の危険性を高めてしまいます。また、毎回の流水と石けんでの手洗いも難しいことから、適切なタイミングでの手洗いも実施できていないことが予想されるため、清潔操作や処置などの介助等は避けた方が良いと考えます。また、手荒れが改善するまでは、手指衛生などによる外的刺激をできるだけ避ける必要があります。緊急処置として、綿手袋の上にディスポーザブルの手袋を着用する方法もあります。綿手袋で皮膚を外的刺激から保護し、2枚目のディスポーザブル手袋を交換することで手指衛生の回数を減らします。もちろん原則として、手袋は手指衛生の代用にはなりません。しかし、手指衛生が十分にできないまま汚染した手指で医療行為を行う事のリスクと比較して、手荒れが改善するまでの一時的な対処方法として検討できると思います。手荒れの原因は、アレルゲンの問題や手指衛生材料の問題、手技の問題など様々です。そのため、手荒れの改善に最も重要なことは、原因を特定し、それを取り除けるようにしていきます。また、日頃より、施設職員への手荒れ予防対策を実行していくとともに、手荒れが起きた職員への精神的配慮も必要と考えます。
手術時手洗いの目的は、通過菌を確実に除去し、皮膚常在菌を減少させることであり、たとえ、手術時に手袋が破損したとしても術野が汚染される細菌数を最小限とすることです。すなわち、手術部位感染の予防といえます。スクラビング法とラビング法との比較において、手指付着菌数および手術部位感染率において有意差は認められていません。そのため、手術時手洗いでは、どちらを選択しても問題はありません。しかし、手技の習得が容易であり手技の個人差が少ないこと、手荒れの防止にも有用であること、滅菌タオルや滅菌ブラシ(爪の先のみ)等のコストが削減できること等から、ラビング法を選択している施設が増えてきています。両者のメリット、デメリットを含めて、関係者との会議で議論を重ねていく必要があります。その中で、反対をしている要因を把握し、その要因に対しての説明を行いながら、病院の方針として、変更に向けた取り組みを行っていくことが大切だと思います。
感染対策は目に見えないことに対して対応するため、ラウンド結果などは視覚的に分かりやすいようにまとめると相手に伝わりやすいでしょう。
・チェック内容の遵守率の一覧もしくはグラフ化
・改善が必要なところは写真を撮り結果に残す など
熊本県では、一般医療機関や訪問看護先で、針刺し切創・皮膚粘膜曝露事象が発生した場合のHIV 感染を防止するため、「熊本県針刺し切創・皮膚粘膜曝露後のHIV感染防止体制整備事業」を実施しており、県内6医療機関に抗HIV薬を配置しています。
熊本県健康危機管理課のホームページに「針刺し切創・皮膚粘膜曝露後の抗HIV 薬服用マニュアル」が掲載されています。針刺し切創・皮膚粘膜曝露事象後のHIV 感染を防止するためには、事象発生後できるだけ早く抗HIV 薬の服用を開始する必要があり、マニュアルでは被汚染者が専門医を受診できるまでの緊急対応用として作成されているため参照して下さい。
厚生労働省発表の予防接種ガイドラインには、不活化ワクチン及びトキソイドを接種した場合は6日間以上の間隔を空けて、生ワクチンを接種した場合は、27日間以上の間隔を空けて次のワクチンを接種すると記されています。ただし、医師が必要と認めた場合には、2種類以上の異なるワクチンの同時接種を行うことが可能です。
日本感染症学会提言2012では、「最初はインフルエンザ発症者の同室者に対して予防投与する。複数の病室に渡ってインフルエンザ患者が発生した場合には、病棟全体やフロア全体での予防投与を考慮する必要がある。」とされています。高齢者施設では、「インフルエンザ様の患者が2~3日以内に2名以上発生して、1名でも迅速診断で陽性と診断されたら、フロア全体に予防投与の開始を考慮する」とされています。しかし、曝露後の予防投与は保険適応ではないため、患者への説明と同意、費用負担方法については施設で検討しておく必要があります。
また、タミフルの添付文書には以下の様な記載があります。
原則として、インフルエンザ感染症を発症している患者さんの同居家族又は共同生活者である下記の方のみ病院での処方が可能です。
1. 高齢者の方(65歳以上)
2. 慢性呼吸器疾患又は慢性心疾患の方
(気管支喘息、慢性気管支炎、慢性肺気腫、肺線維症、肺結核、心不全、心弁膜症、心筋梗塞など)
3. 代謝性疾患の方(糖尿病等)
4. 腎機能障害の方(腎機能の低下により薬の量が違います)
手術時手洗いの目的は、通過菌を確実に除去し、皮膚常在菌を減少させることであり、たとえ、手術時に手袋が破損したとしても術野が汚染される細菌数を最小限とすることです。すなわち、手術部位感染の予防といえます。スクラビング法とラビング法との比較において、手指付着菌数および手術部位感染率において有意差は認められていません。そのため、手術時手洗いでは、どちらを選択しても問題はありません。しかし、手技の習得が容易であり手技の個人差が少ないこと、手荒れの防止にも有用であること、滅菌タオルや滅菌ブラシ(爪の先のみ)等のコストが削減できること等から、ラビング法を選択している施設が増えてきています。両者のメリット、デメリットを含めて、関係者との会議で議論を重ねていく必要があります。その中で、反対をしている要因を把握し、その要因に対しての説明を行いながら、病院の方針として、変更に向けた取り組みを行っていくことが大切だと思います。
B型肝炎ワクチンは初回、1ヶ月後、6ヶ月後の3回を1シリーズとします。1シリーズ終了後の1ヶ月後に抗体検査を行い、抗体価上昇が確認されなかった場合は、もう1シリーズの接種が推奨されています。2シリーズでも、抗体の陽転化が見られなければ、それ以上接種しても陽転化率は低いため、ワクチン不応者として対応していきます。その際は、血液・体液曝露に際して厳重な対応と経過観察を行い、抗体価が獲得できない者に関して、HBVの曝露があった場合は、抗HBs人免疫グロブリンを、直後と1か月後の2回接種が推奨されています。また、現在、B型肝炎ワクチンは2種類の製品が出ており、1シリーズの接種で抗体が陽性にならなかった場合は、種類の異なるワクチンを接種することも1つの方法です。
手足口病の特徴として、潜伏期は3-5日で、感染は患者の咽頭からの飛沫、便中に排泄されたウイルスからの経口感染、水泡などから起こります。大人に関して法的には就業制限はありません。また、厚労省の保育園のガイドラインでは発熱がなく(解熱後1日以上経過し)、普段の食事ができることとなっています。感染性は罹患後1週間が高いので、可能ならば1週間の就業制限が妥当と考えます。また、唾液へのウイルスの排泄は通常1週間未満ですが、便中へのウイルスの排泄は2~4週間続くため、手指衛生を確実におこなうよう指導して下さい。
水疱内容物にもウイルスが存在します。手袋を着用することで接触感染のリスクは低くなると考えますが、手袋は万能ではありません(ピンホールがあることもある)ので、絶対に感染しないわけではありません。水疱が痂皮化するまでは、接触しない方が良いと考えます。手足口病はヒト-ヒト伝播は主に飛沫感染で起こり、また、便中に排泄されたウイルスや水疱内容物による接触感染が起こります。 便中へのウイルスの排泄は長期間にわたり、症状が消失した患者も2〜4週間にわたって感染源となります。そのため、手指衛生の徹底と飛沫感染予防(咳エチケット)のためのサージカルマスクの着用が必要です。
帯状疱疹は水痘ウイルスによって起こり、水痘に罹患したことがある場合やワクチン接種したことがある場合には神経節に潜伏した状態で、免疫が低下したときに活性化して発症します。そのため、通常は他者に感染することはありません。しかし、水痘に罹患していない小児や免疫不全患者へは感染させる恐れがあります。また、罹患歴がない妊婦では全身性の感染を起こしたり、重症化する危険があります。限局した帯状疱疹で、水疱部分が被覆できるのであれば勤務も可能かと思いますが、易感染患者がいる病棟などでは接触は避けることが必要と考えます。各施設での取り決めが必要です。
学校保健安全法では、解熱後2日 を経過するまで、かつ発症から5日間は出席停止とされています。これは、あくまでも学校で感染症を広げないための法律ですが、その期間 はウイルスの排泄が多いと考えられます。熊本県内の病院の就業禁止期間は解熱後2日のみとしているところもあれば、発症から5日間(タミフ ル服用)と解熱後2日後を基準として発症後5日までは休み、6日目(解熱してから2日以上たっていれば)から勤務可能というところなど病院によって様々です。入院患者さんのリスク等も含め、検討されることをお勧めします。
家族がインフルエンザを発症した場合、家庭内での感染は市中の2~3倍といわれています。そのため、勤務を続行する場合はインフルエンザの潜伏期間である1~3日程度はサージカルマスクを装着し、発熱などがないかを経過観察するなどの対策を行う必要があります。また、発熱や倦怠感、咳、鼻汁などのインフルエンザ様症状に注意し、症状が出現した場合は、速やかに就業を控えるなどの対策も必要です。各施設での取り決めが必要となります。
在宅で家族への指導は大変難しいことです。 物品の制限やマンパワー不足、コストの負担などが出てくるために病院と同様には行えないと思います。
まず、処置の必要性、方法(手順)をイラスト入りでパンフレットのように作成し、看護師の実施方法を見てもらい指導してはどうでしょうか。 その後は家族の実施状況を確認する方法が良いと思います。 管理方法の一つの例を示します。
【吸引の方法および吸引チューブの管理方法】
1本の気管内吸引チューブで気管内と鼻腔内を続けて吸引する場合は、気管内を吸引した後に鼻腔内吸引をするように指導をお願いします。
気管内吸引チューブは原則として使い捨てとすることが望ましいですが、経済的理由から繰り返し使用することもやむ得ない場合がありますので、繰り返し使用するのであれば、以下のように指導をお願いします。
① 使用後の吸引チューブ外側をアルコールガーゼで清拭する。
② 粘液等の除去目的で滅菌水を吸引する。
③ 8〜12%エタノール含有0.1%塩化ベンザルコニウムへ浸漬する。
④ 使用前には消毒薬除去の目的で滅菌水を吸引する。
※浸漬消毒液、滅菌水は1日2回以上交換する。
【ネブライザーの管理方法】
超音波、ジェットともに洗浄・消毒は少なくとも24時間毎に行うことが推奨されています。 超音波ネブライザーは0.01% (100ppm) 次亜塩素酸ナトリウムへ1時間以上の浸漬消毒を行います。ジェットネブライザーは熱水浸漬(65℃、2分以上、70℃、30秒以上、80℃、5秒以上)を行います。熱水浸漬ができない場合は使用の都度、洗浄後に乾燥させます。
2011年の厚生労働省医政局指導課長通知「医療機関等における院内感染対策について 」の中に「医療機関内での院内感染対策講じた後、同一医療機関内で同一菌種による感染症の発病症例が多数にのぼる場合(目安として10名以上)、または当該院内感染事案との因果関係が否定できない死亡者が確認された場合においては、管轄する保健所に速やかに報告すること。また、このような場合に至らない時点においても、医療機関の判断の下、必要に応じて保健所に連絡・相談することが望ましいこと。」との記載があります。それぞれの施設でアウトブレイクの基準を感染対策チーム等で協議し決めておく必要があります。
手指衛生の励行、呼吸器衛生/咳エチケット、流行期における不要不急な面会や外出の制限、患者・家族への適切な説明、職員の健康状態の把握と早期対応、職員へのワクチン接種などが重要です。
面会制限基準や病棟閉鎖基準などについては明確なものはなく、各施設での取り決めが必要です。 面会者についてCDCは、病院に入る前の呼吸器症状のスクリーニングや、手指衛生や咳エチケットの教育を行うことについて方針を作成することを推奨しています。
【厚生労働省新型インフルエンザ治療ガイドライン・手引きなど】
【診療所、小規模・中規模病院向け】
新型インフルエンザ等発生時の診療継続計画作りの手引き
【大規模・中規模病院向け】
平成25年政府行動計画・ガイドラインを踏まえた「医療機関における新型インフルエンザ等対策立案のための手引き」
2014年06月06日掲載「成人の新型インフルエンザ治療ガイドライン」などを参考にされてはいかがでしょうか。
鳥インフルエンザ(H5N1)の潜伏期間は、厚生労働省ホームページによると、1~10日(多くは2~5日)とされています。鳥インフルエンザ(H7N9)の潜伏期間は、国立感染症研究所HPによると、「今のところ不明であるが、動物との接触歴の詳細が確認された23例では潜伏期が中央値で6日(範囲1~10日)であった」と報告されています。
鳥類に対して感染性を示すA型インフルエンザウイルスのヒトへの感染症が、鳥インフルエンザです。また、鳥インフルエンザの原因となるA型インフルエンザウイルスを一般的に、鳥インフルエンザウイルスと呼んでいます。ただし、A型とB型の重複感染の報告もあります。また、米国疾病対策センターは、呼吸器からの検体を用いる市販のインフルエンザ迅速診断テストによる検査では、「鳥インフルエンザウイルスまたは変異したA型インフルエンザウイルスを検出できない場合がある」としています。診断キットの精度は100%ではないため、確定診断では各地方衛生研究所での検査が必要となります。
現時点では、鳥において高病原性を示す鳥インフルエンザウイルスが鳥からヒトに感染するのは、感染した鳥またはその死骸や内臓、排泄物等に濃厚に接触した場合に限られています。また、鳥インフルエンザウイルスがヒトからヒトに感染するのはきわめて稀であり、感染の事例は、患者の介護等のため長時間にわたって患者と濃厚な接触のあった家族の範囲に限られています。
鳥インフルエンザに対する院内感染対策としては、標準予防策に加え、接触予防策・飛沫予防策が必要と考えられています。しかし、まだ知見に乏しいため、より確実に感染対策をとるため、吸引などエアロゾルが発生するような処置や検査を行う場合には空気感染予防策を追加することが妥当と考えられています。
詳細は鳥インフルエンザに関するホームページをご覧下さい。
WHOは、新型インフルエンザに対して、ノイラミニダーゼ阻害薬による治療を推奨しています。 鳥インフルエンザの対応は新型インフルエンザに準ずるため、オセルタミビルリン酸塩(商品名:タミフル)、ザナミビル水和物(商品名:リレンザ)、ラニナミビルオクタン酸エステル水和物(商品名:イナビル)、ペラミビル水和物(商品名:ラピアクタ)などが挙げられます。ただし、どのような型が発生するか不明なため、抗インフルエンザウイルス薬の臨床効果、適正な投与量、投与期間ははっきりしていません。曝露後予防投薬に関しても同様です。
保菌者であっても周囲の患者への感染伝播のリスクは同じです。 患者の治療を行う上で、保菌か感染かの区別は重要ですが、感染対策上、周囲への伝播リスクには変わりはありません。
エボラ出血熱を代表として汗が感染源となり得る場合があります。また、汗に全く病原体が含まれていないとは言い切れませんが、一般的な医療施設では汗によって感染が成立したという事例はありませんので、汗は感染源として扱いません。
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